公認会計士試験の論文式試験における科目選択で悩んでいる人は多いのではないでしょうか。
私も一受験生として試験科目の選択には悩み、熟考の末に「統計学」を選択しました。
本稿では、私の体験も踏まえて「統計学」を選択する上で知っておくべき「基本事項」と「判断基準」を提示します。
論文式試験の科目ごとの勉強時間
勉強時間 | 受験者割合 | |
経営学 | 200〜250時間 | 80% |
経済学 | 500時間 | 2.5% |
民法 | 450時間 | 2.5% |
統計学 | 200〜250時間 | 15% |
論文式試験の科目ごとの勉強時間は「経営学」と「統計学」が200〜250時間と短くなっているため、限られた時間で最大限のパフォーマンスを上げる必要がある会計士試験では、実に“95%“の受験生が2つの科目のいずれかを選択しています。
経済学や民法については、大学時代や専門資格を通じて学習経験がある場合に選択する傾向にあります。
経営学と統計学の科目の違い
勉強時間こそ変わりませんが、両者は「試験の特徴」や「勉強環境」が大きく異なります。
試験の特徴
○経営学
・いわゆる文系科目であり、管理会計論や経営学の計算問題は一部あるが、暗記が中心。
・暗記が中心であるため定期的なメンテナンスが必要。
・受験者が多いため、受験者による平均点のブレが少ないため偏差値が安定する。
○統計学
・いわゆる理系科目であり、計算が中心。
・最低限の公式、分布の特徴は暗記が必要だが、一度暗記すればメンテナンスにかかる時間は少ない。
・受験者が少ないため、受験者による平均点のブレがあるため偏差値が安定しない(受験者のレベルが高いとしに当たると偏差値低くなり、受験者のレベルが低い年に当たると偏差値が高くなる)。
勉強環境
○経営学
・予備校の講座が充実している。
○統計学
・予備校の講座はあるものの、受験者数が少ないために経営学と比べると力の入れ方が異なっている。
・必要に応じて予備校を利用するも、独学を中心とした学習が基本となる。
こうした「試験の特徴」や「勉強環境」を踏まえると、統計学の学習に向いているのは「自分で主体的に学習できる、数学の素養がある受験生」であり、それ以外の人は無難に予備校の講座を受けながら経営学の勉強した方が良いでしょう。
統計学を選択するかの判定項目(チェックリスト)
ここまでで統計学試験の特徴が分かりましたが、それでも統計学の受験を検討しているのであれば、以下のチェック項目を確認してみてください。
☑️積分、数列の高校レベルの知識が身についている。
☑️記述統計、確率、確率分布、推測統計、相関・回帰分析と言われて(正確に理解していなくとも)感覚的にイメージがつく。
☑️大学で統計学の講座を受講した。
☑️仕事の幅を広げるために統計学の勉強をしてみたい。
2つ以上当てはまる場合
多少の苦労を覚悟のうえで統計学を選択しても良いかもしれません。
3つ以上当てはまる場合
統計学の選択をお勧めします。
統計学の試験範囲と試験問題
統計学の選択を決めたのであれば、まずは「試験範囲」と「試験問題」を確認して見てください。以下に試験範囲の画像と試験問題のリンクを貼り付けておきます。
試験範囲
https://www.fsa.go.jp/cpaaob/kouninkaikeishi-shiken/hani31-a/bessi-syutudaihaninoyoshi.pdf
試験問題「直近5年間の過去問題」
令和元年
平成30年試験
平成29年試験
平成28年試験
平成27年試験
以上、「【公認会計士試験】論文式試験の科目選択!思い切って、統計学!?」でした。
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